今日は、令和1年度 第31問について解説します。
排水・通気設備及び浄化槽に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 排水トラップの封水深は、深いと破封しやすく、浅いと自浄作用がなくなる。
② ドラムトラップは、封水の安定度が高く、台所の流し等に使用される。
③ 伸頂通気方式は、排水立て管の先端を延長した通気管を、屋上等で大気に向けて開口する方式である。
④ 浄化槽では、微生物によって分解された汚物等が汚泥となり、槽の底部に堆積する。
解説
排水、通気設備などに関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ①
排水トラップの封水深は、深いと破封しやすく、浅いと自浄作用がなくなる。
×不適切です
トラップは少量の水が常にたまるような構造となっており、この水を封水(ふうすい)と言います。
封水が失われる現象を破封(はふう)といい、排水管内の圧力変動によって封水が吸い出されたり、長期間水が流されないことで封水が蒸発したりして起こります。
封水の深さのことを封水深といい、封水深は、浅すぎると破封が起こりやすくなり、逆に深すぎると自浄作用がなくなってしまいます。
つまり、排水トラップの封水深は、浅いと破封しやすく、深いと自浄作用がなくなります。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ②
ドラムトラップは、封水の安定度が高く、台所の流し等に使用される。
〇適切です。
選択肢の説明の通り、ドラムトラップは、封水の安定度が高く、台所の流し等に使用されますので、この選択肢は適切です。
なお、ドラムトラップは非サイホン式トラップに分類されます。
非サイホン式トラップには、ドラムトラップの他にわんトラップもあります。
わんトラップは、床を通して排水する箇所(床排水)に使用されることが多く、キッチンや浴槽の防水パンに用いられます。
選択肢 ③
伸頂通気方式は、排水立て管の先端を延長した通気管を、屋上等で大気に向けて開口する方式である。
〇適切です。
選択肢の説明通り、伸頂通気方式は、排水立て管の先端を延長した通気管を、屋上等で大気に向けて開口する方式ですので、この選択肢は適切です。
なお、伸頂通気方式は主に戸建て住宅や小規模な低層建物に使用されます。
この方式は排水と通気を1本の管で兼ねる構造のため、施工が比較的簡易であるという特徴があります。
選択肢 ④
浄化槽では、微生物によって分解された汚物等が汚泥となり、槽の底部に堆積する。
〇適切です。
浄化槽は、汚水や雑排水を微生物(バクテリア)の働きにより分解・浄化する設備です。
微生物は、汚物などの有機物を分解し、分解しきれなかった固形物は汚泥として沈殿します。
こうして浄化された上澄みの水が外部へ放流される仕組みです。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢①となります。
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